ごあいさつ    代表理事  赤枝雄一

社会環境の複雑化等を背景に、現在の医学的検査方法では異常が認められない身体のだるさ、疲れやすさ等の漠然とした身体的愁訴、即ち、不定愁訴を訴える患者が増加しております。
これら患者の中には、内科、整形外科、耳鼻科、そして精神神経科、婦人科等と診察科を替えたり、転院を繰り返しても異常なしと診断されるため、周囲の人からも単に怠け者又は、わがままとみなされ、治癒しないまま生活意欲を失い、離婚、家庭崩壊、親子の断絶、職場放棄などに発展しているケースもあります。
ますます複雑化する社会環境等に伴い、不定愁訴を訴える者が増加しつつある一方、現代の医学でも不定愁訴の原因については、まだ十分に解明されておりません。その解明のためには、身体的側面のみならず、心理、社会的側面等からも全人的に検討していかなければなりません。また国民が不定愁訴についての正しい知識をもち、いたずらに不安をもたないようにすることが重要であると考えております。
毎年助成研究報告集を発刊しておりますが、今後は、ホームページもリニューアルし、実のある研究成果を公開することといたします。また、今まで以上に国際的な視野に立ち、医学研究範囲の幅を広めた活動に取り組む所存でございます。
引き続き、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。